近年は医学の進歩によりウィルス性肝炎や肝硬変は減少しましたが、生活習慣の欧米化(高糖質/高脂肪食)/糖質を多く含む甘い清涼飲料の多飲/習慣的な飲酒 などにより”非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)”、つまり「脂肪肝」が増加しています。また、当院へダイエット治療を希望して受診される多くの患者さまにもこの脂肪肝や内臓肥満を合併している傾向にあるのが特徴です
本稿では、脂肪肝の治療や予防にダイエット治療が如何に重要かについて解説します
脂肪肝は、肝臓に過剰な脂肪が蓄積することで発症し、放置すると肝硬変へ移行する恐ろしい病気で、特に内臓肥満や2型糖尿病のある人に多く見られます。ダイエットによって脂肪肝の改善が期待できる理由は次の通りです
1. 内臓脂肪減少が脂肪肝を改善
体脂肪の減少によって肝臓に蓄積された脂肪が減少し、炎症や肝細胞の損傷も軽減されます。研究によると、内臓脂肪を5~10%減少させることで、脂肪肝の改善が見込まれ、10%以上の減少を達成すると肝臓の線維化(肝硬変への進行リスク)の進行も防ぐことができます
2. インスリン抵抗性の改善
内臓肥満や脂肪肝はインスリン抵抗性(2型糖尿病)と密接に関連しています。ダイエットによって内臓脂肪が減ると、インスリンの働きが改善され、肝臓における脂肪の蓄積が減少します
3. 肝臓の炎症と線維化の予防
ダイエット治療によって体脂肪(特に、内臓脂肪)が減ると、肝臓内の炎症や酸化ストレスが減少し、肝細胞の損傷や線維化の進行が抑制されて肝硬変への進行を予防できます
実際のダイエット治療のアプローチ
1. 糖質制限: 食事の糖質/カロリーを減らすことで体脂肪を減らし、肝臓の脂肪蓄積を抑えます。栄養バランスを考慮し、特に砂糖/糖質や飽和脂肪の摂取を減らすことが重要です
2. 習慣的な運動/定期的なスティムシュア施術: 有酸素運動や筋力トレーニング、当院で導入しているスティムシュアを組み合わせることで、エネルギー消費を増やし、脂肪燃焼を促進します。特に、スティムシュアによる1型筋線維の強化はインスリン抵抗性を改善し、脂肪肝に良い影響を与えます
3. 低炭水化物・高タンパク質ダイエット: 炭水化物(糖質)の摂取を抑え、タンパク質を増やす食事法は、肝臓への脂肪蓄積を減らす効果が期待されます
いかがでしょうか?
ダイエット治療は脂肪肝を改善する上で非常に効果的であり、特に早期発見・早期のダイエット治療が行われれば肝硬変を予防でき、健康な肝臓への回復が期待できます。ぜひ、かかりつけのダイエット治療医へご相談の上で早めの治療をお勧めします