ある脳神経専門病院のリハビリテーション科に勤務していた頃のお話しです(内容はフィクションです)
ある日、突然に脳梗塞になった60代(男性)
右手足が動かない、言葉が出ない、うまく飲み込めない、などの症状を訴えて救急搬送されてきました
搬入後、CTでは異常なくMRIで脳梗塞と診断、緊急でSCU(脳卒中の集中治療室)へ入院して、脳血管撮影を実施。t-PAは投与せず血栓回収術を脳外科医が施行
血栓は無事に回収できたものの、麻痺などの後遺症は残存したため注射でのヘパリン投与→経口での抗凝固剤の投与が開始され、14日目にリハビリテーション病棟へ転棟し、リハビリテーション科医が主治医となる(ボク)
持病として高血圧、高脂血症、糖尿病、軽度の鬱血性心不全などがあり、アムロジピン/アジルサルタン/フォシーガ/リベルサス/メトホルミン/リクシアナ/プラバスタチンなどを服用中で、二週間に一回血液検査をしながらお薬をコントロールしつつリハビリテーション(理学療法、作業療法、言語聴覚療法)が実施されました
定期的に循環器内科医へコンサルテーションして、心不全に対するエコーでのフォローを依頼
右手足の麻痺はSIAS-M 3-1A/2-2-1で、歩行自立を目標に長下肢装具を作製。4週間後に短下肢装具へ移行
右上肢は利き手として利用が難しいため、作業療法で利き手交換のADL訓練をしながら同時に麻痺手に対してCI療法も並行して実施
言語聴覚療法では失語症に対する機能的訓練と並行してコミュニケーション能力向上のためのコミュニケーションツールの開発を模索
発症から3ヶ月後、歩行は自立し身の回りのことが自立してできるようになり、一人での外出も可能となったため自宅退院し、自動車運転再開と復職を目指して外来リハへ移行
持病も病状は安定し、いくつかの内服薬は中止できたため、退院後の内科的医学管理は近所の内科医へ紹介状を作成して紹介
といった流れで仕事をしていました
「リハビリテーション科医ってリハビリだけやってんでしょ?」って思われるかもしれませんが、実はリハビリテーションが専門の総合内科医的な特性を持っているのですね
なので、今は30年積み上げた知識と経験を活かして“医療ダイエット治療”をやっています