当院でダイエット治療をご提供する患者さまの多くは女性の方ですが、よく「月経と肥満に関連性はありますか?」と質問されますので、ここで少し解説したいと思います
女性の月経と肥満の関連性には、いくつかの重要な側面があります。肥満が女性の月経周期に影響を与えることがあり、その逆に、月経不順や関連する症状が肥満に影響を与えることもあります。以下のような点が特に関連しています
1. 月経周期の不規則化
肥満は、女性のホルモンバランスに影響を与え、特にエストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れやすくなります。これにより、月経周期が不規則になりやすいです。例えば、月経の間隔が長くなる、もしくは不正出血が増えることがあります。肥満は「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」という状態と関連があり、PCOSの症状のひとつとして月経不順があります
2. 排卵への影響
肥満はインスリン抵抗性を引き起こしやすく、これがホルモンの調整に悪影響を及ぼします。結果として、排卵が不規則になり、不妊のリスクが高まることがあります。体重が増えると、卵巣が正しく機能しにくくなるため、正常な排卵が起こりにくくなります
3. 月経前症候群(PMS)や月経痛の悪化
肥満は、月経前症候群(PMS)や月経痛(生理痛)を悪化させることがあります。脂肪細胞はエストロゲンを生成するため、過剰なエストロゲンが月経時の症状を強くすることがあります
4. メタボリックシンドロームとの関係
肥満は、メタボリックシンドロームと関連しており、これがさらに月経不順やホルモン異常を引き起こすことがあります。特に腹部肥満がメタボリックシンドロームの指標となりやすく、ホルモンのバランスを崩す要因になります
5. 妊娠および更年期への影響
肥満は、妊娠しづらくなるリスクを高めるだけでなく、妊娠後の合併症(例えば、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群)のリスクも高めます。また、更年期に入るときに、肥満である女性はホルモンバランスの変化が急激に起こることが多く、症状が重くなる傾向があります
6. 生活習慣の影響
不規則な食生活や運動不足は、肥満のリスクを高めるだけでなく、月経周期やホルモンバランスにも悪影響を与えることがあります。生活習慣を改善することで、肥満の改善とともに、月経不順の改善も期待できます
いかがでしょうか?
女性の月経周期と肥満には密接な関係があり、ひいては不妊やその他の健康障害とも関連しています
このような医学的な側面を十分に考慮しつつ、ダイエット治療医と二人三脚で取り組むことが大切です