当院でのダイエット治療を希望される患者さまには様々なタイプの肥満が見られますが、肥満のタイプには大きく3つに分類され、1)皮下脂肪肥満 2)内臓脂肪肥満 3)混合型 がありますが、本稿では1)と2)の違いについて解説しますね
内臓脂肪肥満と皮下脂肪肥満は、脂肪が蓄積される場所によって分類され、健康リスクも異なります
1. 内臓脂肪肥満
•場所:内臓脂肪は、腹腔内の臓器の周りに蓄積されます。主に腸や肝臓などの臓器を囲む脂肪です
•特徴:お腹が硬く張ったように見えることが多く、「リンゴ型肥満」とも呼ばれます。男性に多く見られる傾向があります
•高い健康リスク:内臓脂肪は、糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病と密接に関連しています。また、心臓病や脳卒中のリスクを高めることが知られています
•代謝が活発:内臓脂肪は代謝が活発で、脂肪がエネルギー源として早く使われる傾向がありますが、それに伴い有害物質やホルモンが血流に放出されやすく、健康リスクが増加します
2. 皮下脂肪肥満
•場所:皮下脂肪は、皮膚のすぐ下に蓄積されます。主に太ももや臀部、腰周りに多く見られます
•特徴:体が柔らかく、全体的に丸みを帯びた体型が特徴で、「洋ナシ型肥満」とも呼ばれます。女性に多く見られる傾向があります
•比較的低い健康リスク:皮下脂肪は内臓脂肪に比べて健康リスクが低いですが、過度に蓄積されると関節に負担がかかり、肥満関連の疾患(膝痛や腰痛)を引き起こすことがあります
•代謝が遅い:皮下脂肪は内臓脂肪に比べて代謝が遅いため、一度蓄積されると減少しにくいですが、生活習慣病との関連性は低いです
3. 減らしやすさ
•内臓脂肪:運動や食事制限で比較的減らしやすい脂肪です。生活習慣を改善することで短期間で効果が現れることが多いです
•皮下脂肪:内臓脂肪に比べると減らしにくいですが、長期間の適切な運動や食生活の改善により、徐々に減らすことが可能です
4. 見た目の違い
•内臓脂肪肥満:お腹がぽっこりと出る一方で、腕や脚は細い場合が多いです
•皮下脂肪肥満:全身にまんべんなく脂肪がつき、特に下半身や臀部に脂肪が集中しやすいです
いかがでしょうか?
ひとえに肥満といっても、いろいろなタイプがあり、それぞれ異なった治療アプローチが必要になります
これらの違いを理解しつつ、ダイエット治療医との二人三脚で根気強く治療を継続することが肝要です