老化はさまざまな人間機能の低下を引き起こしますが、老化は肥満とも密接に関与しています
老化すると皮下脂肪や内臓脂肪が落ちにくくなり、放っておくとどんどん肥満が悪化して健康を害してしまいます
本稿では、ヒトは何故、歳をとると(老化すると)太りやすくなり痩せにくくなるかを解説しますね
老化に伴って皮下脂肪や内臓脂肪が落ちにくくなるのは、以下の通り、代謝やホルモンの変化、脂肪細胞自体の機能低下が原因です
1.基礎代謝の低下: 年齢とともに筋肉量が減少するため、基礎代謝(何もしていない状態で消費するエネルギー)が低下します。これにより、同じ量の糖質/カロリーを摂取しても、脂肪が燃焼しにくくなり、脂肪が蓄積しやすくなります
2.ホルモンバランスの変化: 老化に伴って、特に更年期以降は、エストロゲンやテストステロンなどのホルモンの分泌が減少します。これにより、体脂肪の分布や蓄積に影響を与え、内臓脂肪が増加しやすくなります。エストロゲンの減少は、特に女性で内臓脂肪の増加に関連しています
3.脂肪細胞の機能低下: 先述のように、老化した脂肪細胞は脂肪の蓄積と分解のバランスが崩れやすくなり、脂肪を効率的にエネルギーとして利用する能力が低下します。また、老化した脂肪細胞は炎症を引き起こし、代謝の効率がさらに悪化します
4.インスリン抵抗性の増加: 年齢とともにインスリン感受性が低下し、インスリン抵抗性が高まります。これにより、脂肪分解が抑制され、体内に脂肪が蓄積しやすくなります
5.活動量の減少: 年齢を重ねるにつれて、運動量や日常的な活動量が減ることも、脂肪が落ちにくくなる要因です。頻繁に筋活動を伴う運動する機会が減ると、エネルギー消費が減り、余分なカロリーが脂肪として蓄積されやすくなります
いかがでしょうか?
これらの要因が重なり、特に内臓脂肪が増えやすく、皮下脂肪も減りにくくなります
しかし一方で、歳を取ると激しい筋活動を伴う運動をするのがおっくうになり、また、膝や腰に持病があったり痛みがあってなかなか筋活動を伴う激しい運動を行いにくく、結局、さらにブクブク太ってしまうのが現状です
当院では、このような中高年〜高齢の肥満患者さまに対して、医療ダイエット治療を通じて健康的なダイエットに対するさまざまな治療アプローチを患者さまとダイエット治療医相互のパートナーシップに基づいてご提供致しております
激しい運動を行わずにダイエットを成功させるためには、ダイエット治療医との二人三脚での取り組みが大切です